ヨガという場が起こすこと

silhouette of person in yoga post on top of cliff during sunset

ヨガの場に身を置くと、不思議と心が揺さぶられることがある。
先生の言葉がふと胸に触れたり、隣の人の気配にざわついたり。
ただ体を動かしているだけのように見えても、涙が出たり、思考が落ち着かなくなったりする。

それは、目に見えないエネルギーが動き出しているからなのだと思う。
ヨガという名前のついた場に身を置くとき、その流れに自然とつながってしまうのだ。


私自身、ヨガを始めた当初にそんな体験をした。
まだヨガの意味をよく知らなかった頃、夜ごと悪夢にうなされた。
過去に人との関わりの中で受けた深い傷が夢にあらわれ、泣き叫びながら目を覚ます夜が続いた。

不思議だったのは、ヨガを「心を癒すもの」と理解していたわけでもないのに、それが起きたことだ。
ただヨガを始めただけで、心の奥に閉じ込めていた扉が開いたようだった。

そして、その揺れを何度もくぐり抜けたあと、心は少しずつ静けさを取り戻し、同じ記憶に振り回されることがなくなっていた。


今思う。
ヨガには数千年の歴史と祈りの積み重ねがある。
「ヨガ」という名前が与えられた場には、そのエネルギーが響いていて、そこに身を置く人の内側を自然に揺り動かすのだろう。

ヴェーダンタには「ナーマ・ルーパ(名前と形)」という言葉がある。
物事は名前と形を通して認識されるという。
つまり、名前を与えられた瞬間、その場のエネルギーや意味が定まるのだ。

ヨガの場もまた同じ。
「ヨガ」という名前がつけられた瞬間、その場はヨガの周波数を帯び、そこで過ごす人の心を奥深くへと導いていく。


「人は揺さぶられることでしか、内側に意識を向けられない」
そんな言葉を耳にしたことがある。

静けさの中では見えないことも、心が揺れたときにこそ見えてくる。
ヨガの場で起きるざわめきや不安は、失敗でも間違いでもなく、むしろ内側への入り口。

ヨガの場に身を置くと、心は揺さぶられる。
そしてその揺れを経て、やがて静けさに辿り着く。
それがヨガの持つ力なのだと、今は思っている。


LIFE IS BEAUTIFUL
世界は光に満ちている


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