歯の痛みが教えてくれた”あのキッチン”の記憶

woman in black tank top holding white textile

【セッション事例】


※こちらのセッション記録は、クライアントさまのご了承を得て、一部内容を編集のうえ掲載しています。


目次

セッションについて:潜在意識×筋反射×カード

このセッションは、IH(インテグレイテッド・ヒーリング)の本格的なプロセスに入る前に、
「なんとなくモヤモヤしている」「今の自分を少し整えたい」
という方が受けられる、筋反射とオラクルカードを使った“内観サポートセッション”です。

筋肉の微細な反応(筋反射)を通して潜在意識とつながり、
今必要なメッセージを受け取りながら、心の奥にある感情の源を一緒にたどっていきます。


はじめに

「虫歯じゃないのに、ずっと歯が痛いんです」

そんな違和感から始まった、ある女性とのセッション。
話を聞いていくうちに、体が導いてくれたのは――
もう終わったはずの「夢」の記憶でした。

虫歯じゃないのに、痛む歯

「ずっと右奥の歯がジクジク痛むんです。
でも、歯医者さんでは虫歯じゃないって言われて……」

私は、彼女が話す日常のストレスや不安に耳を傾けながら、
ひとつひとつの言葉に筋反射で体の反応があるか確認していきました。

「仕事のストレス」
「……反応は、ないね」
「食べ物?」
「……これも反応しない」

彼女が思いつくまま口にしたどれにも、体はNOを示していました。

「うーん……思い当たることがないんですよね」
彼女自身も少し困ったように、首を傾けました。

オラクルカードと「聖なる空間」

私はオラクルカードに尋ねてみることにしました。
体にカードを使ってもいいか確認すると、YESの反応。

筋反射で選ばれたカードには「Secret Space(聖なる空間)」と書かれていました。

私はカードを見せながら、何か感じることはあるか尋ねましたが、ピンと来ない様子。
「聖なる空間……。わからないです。」

「じゃあ、あなたにとって、“聖なる空間”ってどこだと思いますか?」

彼女は少し考えながら
「寝室……かなぁ。でも、ただ寝てるだけだし」
「お風呂はゆっくりできるけど、うーん、違う気がします」
「たまに行くヨガスタジオ……最近は全然いけていないし、、、それも違うかも」

私は、挙がった場所の名前ごとに筋反射で確認しましたが、体はどれにも反応しませんでした。

しばらく考え込む彼女。

それならと私は提案してみました。
「じゃあ、もう一回体に聞いてみようか。
このカードの“聖なる空間”について、体からヒントをもらってもいい?」

YESの反応が出たので、私はスキャンチャートの本を取り出しました。
そして、チャートの中から体が反応する言葉を探していきます。

しばらくして、ある言葉に強く反応がありました。

「……“キッチン”っていう言葉に、体が反応してるよ」

「キッチン……今の家の、ですかね?」

私は筋反射を取りながら、首をかしげて伝えました。

「うーん、違うみたい」

「え……じゃあ、なんだろう……前のお家のキッチン……ですか?」

その瞬間、体がしっかりとYESの反応を示しました。

思い出の場所に宿った気持ち

「……たまに、思い出すんです。あの家での風景……」
「結婚してたときのキッチンなんですけど……
なんだか、あそこに立ってた自分のことを思い出すと、胸が苦しくなるというか……」

彼女はゆっくりと語り始めました。

私は一つひとつの言葉に対して体の反応を確認しながら、静か彼女の言葉を待ちます。

「新築の家だったんです。ほとんどの部屋は元夫の好みで決まっていったんですけど……
キッチンだけは、私の好きなようにさせてもらえて」

「シンクの高さも、自分の身長に合わせて決めて、
収納の位置も、動線も、すごく真剣に考えて……」

「ここで家族と暮らすんだって、ワクワクしながら設計してたんです」

「子どもができたら、ここでご飯作って食べさせてあげるんだろうなって……
そんな未来を思い描いてました」

「結婚生活の中で、夢が詰まった、唯一の空間だったんです。」

私は「キッチン」「新築の家」「夢見た未来」「結婚生活」など、彼女が語る言葉に対し、
筋反射で体の反応を丁寧に確認していきました。

すべてに、しっかりとYESの反応がありました。

「……いろんなことがあった結婚生活だったけど……
あのキッチンに立ってる時間だけは、私らしくいられたような気がして……」

「うん、体も反応してるよ」

「……あそこだけが、当時の私にとっての“聖域”だったのかもしれません。
大変だったけど……夢見てた時間でもあったから」

「Secret Space=聖なる空間」
そのカードの意味と、彼女の中のキッチンの記憶が、そこでようやくつながったのでした。


歯の痛みが教えてくれたこと

「じゃあ……この歯の痛みって、そのキッチンのことと関係があるんでしょうか」

「そうだと思うよ。今、“このセッションの中でキッチン”って言葉を体が選んだんだから」

私は体にもう一度確認を取りました。
「歯の痛みの意味を調べた本を使ってもいい?」
YESの反応を確認して、本を開きます。

“歯の痛み”のページに載っていたキーワードは、

  • 過去の体験の記憶
  • ストレスやトラウマ
  • 新しいステージへの移行

私はそのまま、彼女に伝えました。

すると、彼女は少し考えてから、ぽつりと口を開きました。

「……そういえば……いつからだったかって……
もしかしたら、離婚してからなんです。歯が痛み出したのって」

「はっきりとは覚えてないんですけど……でもたぶんあの頃から……」

私はうなずきながら、体の反応を丁寧に確認していきました。
その気づきに、体はYESと応えていました。

そして、彼女はゆっくりと続けました。

「……あのキッチンを設計してたとき……
本当にいろんなこと、夢見てたんですよね……」

「でも、結局……その結婚生活はうまくいかなくて……」

「……あのキッチンに立ってた私は、いろいろあったけど……
でも、必死で、ほんとうにがんばってたと思います」

「……夢見てたことが叶わなかったのは、私のせいじゃなかったのに……
でも……ちゃんとできなかったって、どこかで自分を責め続けていたのかもしれません。」

彼女の目に、うっすらと涙が浮かんでいました。

「……思ったより、私、離婚に傷ついてたんですね……
それに気づけて、よかったです」

「自分が傷ついたことを、なかったことにしない。
……そういうの、大事なんですね」

少し笑みを浮かべながら、彼女は静かに言いました。

「……もしかしたら……
傷ついた私も、手放していいのかもしれません」

「もう、新しいステージへの移行してって、歯の痛みが私に教えてくれたんだから。」

そのとき――
ずっと歯に触れていた彼女の手が、ふっと静かに下ろされていました。


おわりに

私たちの体は、過去の記憶をちゃんと覚えています。
とくに、置き去りにされた「叶わなかった願い」や「傷ついた自分自身の思い」。

歯の痛みというかたちで、それが表面に出てきたとき。
体が伝えてくれたのは――
「もう過ぎた日々から旅立っていいんだよ」っていうことと、
「頑張った自分への静かな“ありがとう”」

そして「これからの彼女へのエール」だったんだと思います。


LIFE IS BEAUTIFUL
世界は光に満ちている

▶ IHセッションの詳細はこちら

あわせて読みたい
Integrated Healing(IH)オンラインセッション IHオンラインセッション Integrated Healing“ それは癒しにとどまらず 愛の中で 自分と繋がり力を取り戻すパワフルでシンプルな とても美しいセッション ”– LIF...

※すべてのセッションはオンラインでも対面と変わらず受けていただけます。
赤ちゃんのいる生活の中でも、無理のないタイミングで受けていただけます。




よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次