その感情の正体は、嫌いじゃなかった。

【セッション事例】
その感情の正体は、嫌いじゃなかった。
※こちらのセッション記録は、クライアントさまのご了承を得て、一部内容を編集のうえ掲載しています。
セッションについて:潜在意識×筋反射×カード
このセッションは、IH(インテグレイテッド・ヒーリング)の本格的なプロセスに入る前に、
「なんとなくモヤモヤしている」「今の自分を少し整えたい」
という方が受けられる、筋反射とオラクルカードを使った“内観サポートセッション”です。
筋肉の微細な反応(筋反射)を通して潜在意識とつながり、
今必要なメッセージを受け取りながら、心の奥にある感情の源を一緒にたどっていきます。
「すごく嫌いなんです」から始まった
今回セッションに訪れてくれたのは、30代前半の女性。
ご近所のある知人との関係をテーマに来られました。
声のトーンが明るく、受け答えも素直で、
ふんわりとしたシャツに柔らかな色合いのスカートを身にまとった彼女は、
全体的にとてもやさしい印象をまとっていました。
そんな彼女が、セッションの冒頭で静かにこう話し始めました。
「もう、ほんとに嫌いなんです。
言い方とか、態度とか……なんだかいつも引っかかってしまって」
その言葉を口にしたとき、筋肉はしっかりと反応していました。
“嫌い”という感情自体は、たしかにそこにあるようでした。
ただ、その言葉の奥にある、
まだ整理しきれていない感情が、ふと空気に浮かび上がったように感じました。
感情はあるのに、理由には反応しない
“嫌い”という感情には反応があるのに、
その理由をたどっていくと、体はどれにも反応しません。
「話すときに、ちょっと距離が近くて圧を感じることがあって……」
「私が何か言っても、軽く流される感じがしてしまって……」
「この前も、ちょっとした場面で“あれ?”って思うようなことが続いたんです」
特別な事件やはっきりしたきっかけがあるわけではなくて、
普通のやりとりの中で生まれてくる、微妙な違和感。
そんな小さなひっかかりが、少しずつ積もっていたようでした。
でも不思議なことに、そうした理由をどれだけ言葉にしても、
筋肉は静かなままで、反応はまったく現れませんでした。
「“嫌い”っていう感情はたしかにあるのに、
その理由をたどっていくと、体が何にも反応してこない。
もしかすると、潜在意識はもう少し違うところに目を向けてほしいのかもしれないね」
私がそう伝えると、彼女は小さくうなずいて、静かに言いました。
「……やっぱり、自分でも。
なんでこんなに嫌いって感じてしまうのか、よくわからないんだと思います」
その言葉は、どこまでもまっすぐで、どこか優しい響きがありました。
わからないことを、わからないまま認めるその姿が、
すでに深い“内なる誠実さ”を物語っているように、私には感じられました。
筋反射からカードへ
彼女の中にある“何か大切なもの”に届くために、
私はカードのサポートを使ってみることにしました。
筋反射で選ばれたのは、1枚のカード。
🃏出てきたカードは「拒絶」
カードに書かれていたのは「拒絶」という言葉でした。
拒絶、排除された感覚、受け入れてもらえなかった経験。
私はカードを手渡しながら、こう声をかけました。
「このカード、見てみてどう感じる?
なにか心にひっかかるところ、あるかな?」
彼女は少しのあいだ黙ってカードを見つめ、ゆっくりと語り出しました。
「あ……そうかも。私、相手のことが嫌いだったっていうより……
“拒絶された”って思ったことがすごくショックだったんだと思います。
最初はとてもいい関係が築けていると思っていたんです。楽しかったし、いい友達ができてよかったと思いました。
それなのに、いつからか彼女が私に心を閉ざしたように感じて。
気のせいかと思ったりしたんですが、やっぱり違和感があって。私のこと嫌いなんだなって思いました。
私の何が気に入らなかったのかは正直よくわかりません。
でも、拒絶されてるんだなって感じて、受け答えも当たり障りのないことを返されているような感じ。
本音を言ってもらえていないと感じ始めたのです。
…受け入れてもらえなかった、って感じたことが、すごく辛くて……
だから“嫌い”って思ってしまったのかもしれません」
その言葉が出た瞬間、筋肉は大きく反応しました。
ようやく、潜在意識が伝えたかった“本当の気持ち”に、彼女自身が触れた瞬間でした。
潜在意識に残っていた過去の記憶
私は静かに筋反射を取りながら、そっと尋ねました。
「その“拒絶された”ような感覚、
もしかしたら……これまでの人生の中でも、感じたことがあったのかもしれないね。思い当たること、ある?」
彼女は少し考えてから、ゆっくりと言葉を紡ぎました。
「……高校時代の親友のこと。
すごく仲がよかったのに、ある時から急によそよそしくなって、
最後は何も言わずに連絡が取れなくなって……
すごくショックだったんです。
なんで嫌われたのか、拒絶されたのかがわからなくて。
そのことが心の中でずっと傷のように残っていたんですね」
その記憶に触れた時、呼吸が少し深くなり、筋肉もまた静かに、でも確かに反応していました。
それからしばらくの間、彼女は口を継ぐんで自分に巡る思いをゆっくりと感じているようでした。
こういう時、私はただその神聖さの中で、ただ彼女の手に優しく触れながらゆっくり待つことにしています。
長い間胸の奥にしまった思いに触れようとすること、自分の真実に触れようとする時間はとても神聖な時間だから。
長い神聖な沈黙の後に彼女がゆっくりと口を開きました。
「だから今回も、“嫌われたのかも”って感じた瞬間、
あのときと同じ感覚がよみがえってきたみたいで……
それを感じるのが怖くて、自分を守るために“嫌い”って思ってしまってたのかもしれません」
守り方を知らなかっただけだった
セッションの終盤、彼女の中から自然とこんな言葉がこぼれました。
「私、”嫌いな人”との付き合い方がわからなかったんだと思います。
嫌われた時に、傷ついた自分をどう守ればいいのかも知らなかった。
だから、ただ反応して、苦しくなって、自分を責めて…
自分を守るために、相手を嫌いだと思って拒絶するしか出来なかった…」
そんなタイミングで、もう一枚のカードが彼女を選びました。
カードの名前は、《自分を信じて》。
「たとえまだ不安があっても、
あなたはもう、ちゃんと自分の気持ちに目を向けている。
そのプロセスを、信じて。」
このカードを見つめながら、彼女は小さく微笑んで言いました。
「高校時代の出来事の後は、
“拒絶された”って感じるたびに、自分を責めたり、相手を責めたりしてきたんだなって思います。
私が私の思いに気づいたことで、これから幼かった私の傷が癒されていくプロセスが始まるのかな…
それが癒された時、拒絶するっていう選択肢以外を選んでいける自分になれることを信じてみようと思います。
人を嫌いになるってやっぱり辛いから」
そう語った彼女の瞳には彼女らしい優しい光が宿っていました。
気づきの先へ──IHセッションという選択
セッションの最後、彼女はこう話してくれました。
「迎えに行かなきゃいけないあの頃の自分が、まだいたんですね……
今度はもっと深く、会いに行ってみたい。IHセッションを受けてみます」
IH(インテグレイテッド・ヒーリング)では、
こうした“気づき”のさらにその奥にあるブロックを、
潜在意識の深いところから癒していくことができます。
いま感じている自分を否定するのではなく、
本来の自分の姿に、静かに還っていくためのセッション。
この日のセッションが、その一歩になりますように。
LIFE IS BEAUTIFUL
世界は光に満ちている
▶ IHセッションの詳細はこちら
https://sriushas.com/lp/ih-online/
※全てのセッションはオンラインでも対面セッション変わらず受けていただけます。