ソウルメイト
彼女はとても愛ある聡明なひと。
ベリーショートのヘアスタイルに、小洒落たメガネ。
いつも鮮やかな差し色を巧みに取り入れ
エッジの効いたファッションに身を包む彼女のセンスには
友人たちの誰もが一目置いている。
社会問題やアートへも造詣も深く
頭の回転の早い彼女との話はいつも楽しい。
私は彼女に魅了される1人。
大切な友達。
そんな彼女が先日
初めてセッションに来てくれた。
『今日はどんなことに対して潜在意識からのメッセージを受け取りたいかな?』
友達である私がカフェでのセッションを始めた初日。
応援に駆けつけてくれた彼女の腕に
優しく触れて尋ねると
少し考えて言葉を繋いだ。
『家族のこと。子どもたち。』
彼女の筋肉の力が抜ける。
『OK。ご家族や子どもたちについてで反応があるけど、もう少し詳しく話せるかな?』
そう伝えると、
彼女は一体どう言ったらいいのか迷っているかのように、
何度も口を開いては閉じてを繰り返して言葉を探そうした。
こういう時、私はただ、
なるべく優しく腕に触れながら相手の時間を大切にゆっくり待つことにしている。
普段、胸の奥にしまったことに触れようとするときは、誰にでも時間が必要だったりするから。
『………幸せでいて欲しいって願っているけど、上手くできていないかも。いろんな問題があって。今、自分の在り方に迷っている。』
思い切って言葉にした彼女の筋肉が
はっきりと反応した。
夫婦の問題。自分のこと。
それが、大切な子どもたちに与える影響について。
子どもたちが大切だからこそ、どうしたらいいのかわからなくなること。
だから、今、自分がどう在るべきかがぶれている気がすること。
言葉を選びながら伝えくれた彼女。
『いろんなことを考えると、どんな在り方でいることがいいのか…見えなくなってくる。
本当の自分はどんな在り方でいたいと思っているのかが知りたい。』
その言葉にも筋肉ははっきり反応した。
大切だからこそ、悩むこと。
同い年の子どもがいるからこそ
彼女の思いは痛いほどわかる。
誰もが経験したことがあると思うけど
1人頭の中でずっと悩んでいると、解決策を探そうとしても思考はぐるぐる同じ場所を巡ってしまう。
そんな時は悩みにフォーカスを当てるより
じゃあどうしたいのか?
“悩みの先にある本来ありたい在り方”に
フォーカスを当ててあげる事が大切だったりする。
キネシオロジーでのセッションは
それを可能にしてくれるもの。
彼女が悩みに留まることなく
直感的に”在り方”に光を当てようとしたこと
このタイミングでセッションを頼ってくれたことを流石だなって思う。
彼女の腕に触れながら
オラクルカードや本に目を向けると
ある本のところで筋肉が反応した。
その本を手に取り
何ページに必要なメッセージがあるのか
数字を頼りに筋肉の反応を見ていく。
反応があったページを開くと出てきた言葉は
『ソウルメイト』という言葉だった。
私は意味が分からず…
彼女にそのページを見せながら
これを見て何か感じるかを聞く。
『………なんだろう。これからソウルメイトと出会えるとかかなぁ。』
筋肉は反応しない。
そこから思い当たる言葉を次々口にしてもらっても、どの言葉にも筋肉は全く反応しなかった。
私にもなんでこのページが選ばれたのか
全く分からず時間が過ぎていく中で
私が筋反射の受け取り方を間違えてしまったのかと何度確認したって
やっぱり彼女の筋肉は、
”ソウルメイト”のページに強く反応を示した。
『私もなんでかわからないけど、やっぱりソウルメイトに反応があるの。
何か思うこと。この言葉を見て感じること。自分の中にあったりする?』
そう言って本から目を離し彼女の顔を見ると、
そこには、表情を崩した泣き顔の彼女がいた。
大粒の涙をポロポロ流しながら
彼女は口を開く。
『実はね……最初にソウルメイトって見た時に、思ったのは数年前に乳がんを患い亡くなった親友のこと。
ソウルメイトというとその子のことしか思い浮かばなかったけど
もう亡くなってしまったし、関係ないと思って口にしなかったの。』
筋肉は大きく反応した。
『そのことみたいだよ。筋肉がそう言ってる。』
彼女に伝えると泣きながらはっきりと
『彼女のことを思う時、その彼女に恥じないように生きていきたいっていつも強く思うんだ。』
そう伝えてくれた。同時に筋肉も反応した。
どう在りたいか…。彼女の知りたかった答え。
亡くなった親友に恥じないように生きていきたいと思う在り方こそが
今回のセッションで
潜在意識が彼女に伝えたかったことだった。
彼女と親友の間に今も確実に存在する愛を感じて心がじんわりと温まる。
しばらくして笑顔が戻った彼女の表情は
とってもスッキリしていて瞳からは迷いが消えていた。
ベリーショートの首元はスラリと伸びて
シャンと輝く彼女の後ろ姿を見送った。
私にも、
その人を思うと凛と背筋を伸ばしていたいと
思えるような人が何人かいる。
誰の中にもきっとそう言う人っていると思う。
たとえもう亡くなって会えないのだとしても
その人を思い凛と背筋を伸ばす時
時空を超えて、大切な人が
私たちにエールを送ってくれてるんだと思ってる。
LIFE IS BEAUTIFUL
世界は光に満ちている